不動産の遺贈による寄付

遺言書にその旨記載することにより、不動産についても、地方自治体や法人などの特定の団体に寄付することができます。ただし現金での寄付と異なり、受入れが難しいこともあるため、あらかじめ受遺者である受入先に確認しておく必要があります。

遺贈による寄付の方法としては、①不動産をそのまま寄付する方法と、②不動産を売却などで換金しその現金を寄付する方法(精算型遺贈)があります。

①の方法は受遺者が不動産を有効に活用できる場合でなければ、不動産の遺贈を受けた後に受遺者自身で売却等を行うことになるため、実現できる場合は限られてくるかもしれません。

②の方法は実質的には現金を寄付することになるので、受入先の同意は得やすい反面、売却等の換金手続が必要となります。またそもそも寄付したいという場合、相続人が協力してくれないことも多いので、遺言書できちんと遺言執行者を指定しておかなければいけません。この場合、①の方法と異なり、直接受遺者に所有権移転登記を行うことはできませんし、売却して直接買主に移転登記を行うこともできません。そのため一旦法定相続人に名義を移すことになりますが、法定相続人への移転登記も売却手続及びそれによる登記も遺言執行者が行うことができます。なお精算型遺贈を行うことで、外観上はその法定相続人が不動産を売却し、譲渡益が生じた形になることから譲渡所得税の問題が生じますので遺言内容に注意が必要です。

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